可成り状態の良いサンヨーのラシーバです。
73年頃に￥21800と言う定価で発売されました。
最大の売りは当時流行っていたトランシーバー機能を極限までに高めた事にありました。
当時の他のトランシーバー機とは異なり、無線専用の帯域を使い、専用の子機を付けて、東京から富士山頂上迄約50km離れて通話ができると言う物でした。何しろこのモデルを購入すると小型無線局としての登録が必要で、その為の申請用紙迄同梱されていましたから。
されど、当時の少年達はそこ迄の機能は望んでおらず、ソニーのTHE11Dで初めて導入されたFMトランシーバー機能に魅了されていました。ソニーのものは相手の声が直接聞こえる位の距離で無ければ充分には機能せず、音質もお粗末だったと記憶しますが、少年たちが何より喜んだのは、離れた音がスピーカーから出てくると言う素朴極まりない無線の不思議であったためで、それ以上の驚きは特に望んで居なかったのです。
このモデル、トランシーバー機能を除いてもとても良く作られていて、12cmの比較的強力なアルニコ磁気回路のスピーカーを始め、可成り高価そうな部品が惜しげなく使われており、当時のこの価格帯のモデルとしては最もコストの掛かった一台だったろうと思います。
残念ながらヒットとはならず、売り物のトランシーバー機能も余り使われないままに本体から切り離され、そのまま紛失となっている個体が多い様です。
比較的レアではあるものの、此方で扱うのは6台目でしょうか。殆どがトランシーバー子機がなくなっていて、付いていても満足に動くものはごく稀な様です。
この個体もトランシーバー子機無し、電源不安定、FM受信無しという初期状態でした。
整備、クリーニング後は全てのバンド受信、機能も正常です。
比較的綺麗な状態ですが、取れない小さなシミの様なものがあり、美品ではありません。
電池はお付けします。
アダプターは汎用品を￥1500アップで追加可能です。

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