ベートーヴェン
①ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調 作品22
②ピアノ・ソナタ 第12番 変イ長調 作品26
③ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 作品53《ワルトシュタイン》

マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
録音:1997年ライヴ

ポリーニ45歳の円熟期の演奏です。ゆるぎない完璧な技巧はそのままに、ゆとりと柔軟性を感じられるライヴ録音です。2017年刊行の名曲名盤500では②は第1位、③は第4位に選定されています。《ワルトシュタイン》は1988年にセッション録音しており、当盤の演奏は再録音になります。

2つの《ワルトシュタイン》つまり1988年のスタジオ録音とこの1997年のライヴ録音、ベートーヴェンのソナタ全曲を録音していない段階でなぜ再録音したのか、答えはこの新盤のライヴ録音を聴けばわかるのか？・・・どちらかというとこちらのライヴ録音の方に人気があって、スタジオ録音の方は冷たい演奏のような言われ方をされているようだ。僕に言わせればポリーニの演奏は元来冷徹であってそこがいいのである。・・・圧倒的にどちらかが優れていることはないと思いますが、聴き比べてても私にはわかりません。だが第11番、第12番のソナタを聴いていると、ポリーニの自家薬籠中のものとなっていることがはっきりとわかります。ライヴならではの自発的な感興を、彼自身が自由に楽しみ、自然な運動性に身を委ねている感じが強い。そこで起こるニュアンスの変幻が美しい。ポリーニのこの演奏を聴いていると、ベートーヴェンの創作力が充実していることがはっきりとわかります。

輸入盤、盤面傷無し 6

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